初めて留学生を採用される企業様

2021.06.07

初めて留学生を採用される企業様

近年の人手不足のなか、将来日本で就職するために留学をするモチベーションの高い外国人が増えています。
日本語がある程度理解ができ、母国語もネイティブレベルの留学生は、将来海外進出を考える企業にとっても大きな戦力となりうるでしょう。

 

ここでは留学生の採用実績はないものの、採用を検討したいという企業様向けに留学生採用に向けた流れや準備事項を紹介します。
 
また、NEXTJAPANでは行政書士の必要な場面でのフォローなども行っておりますので、必要な企業様はぜひこちらからご相談ください。
 
 


 1.留学生採用の流れ
 

 

 留学生を採用する際には、以下のような流れで募集から就労に至ります。
 

日本人と留学生の採用で最も大きく異なるのは、在留資格変更手続が必要となる点です。
 
 日本の学校に通っている多くの留学生は「留学ビザ」と呼ばれる、学校に通うための在留資格を有していますが、就職して働くためには、「技術・人文知識・国際業務」「介護」、「特定技能」といった、就労のための在留資格に変更する必要があります。
※学校を卒業した後に「留学ビザ」の期日を迎えてしまうと、帰国をしなければならなくなるため

 また、「留学」から就労の在留資格への変更において9割以上を占めているのは「技術・人文知識・国際業務」の在留資格です。
 
この在留資格を取得するためには、大学や専門学校で学んだ内容と、入社後に実際に行う業務内容に関連性があることが必要です。

 

 原則として在留資格の変更許可申請は、申請者である留学生本人が住所近くの出入国在留管理庁(以下「入管」とする)へ出向き行いますが、内定先企業が作成しなければならない書類もあります。
書類の作成の仕方が、変更許可申請の許可・不許可に直結しますので、入管への申請取次ができる「行政書士」に依頼するのが一般的です。
 
 なお、在留資格変更許可申請は、審査に時間がかかります。早ければ1か月ほどで結果が出ますが、過去のアルバイト状況や学校証明書等、追加書類の提出を求められ、3か月以上の時間がかかってしまうこともあります。
そのため日本人の新卒内定者と同様に4月1日付で入社と勤務開始するためには、遅くても卒業年の1月末までには入管への申請を開始できるように準備することをお勧めします。

 

 
 


 2.留学生採用に際しての注意点
 

 

留学生を採用するにあたっては、注意を要する点がいくつかあります。
 
【①日本語能力】

 特にサービス業など、日本人の顧客と接する業種においては、日本人の顧客とコミュニケーションがとれるだけの言語能力があるかどうか、事前に確認することをお勧めします。  
一般的には、履歴書の資格欄に記載のある日本語能力試験(JLPT)の取得級の確認や、面接での会話能力による確認などの方法をとる会社が多いようです。

 


※近年はJLPTのほかにも日本語能力を図るテストがいくつかございます


 
【②業務内容】

 上述の通り、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」に在留資格を変更するためには、学校で学んでいた内容と入社後の業務内容の一致が不可欠です。
また、外国人の単純労働は法令において禁止されているため、業務内容としては、総務人事経理といった管理業務や、当該外国人の母国語を用いる業務、サービス業であれば外国人の顧客対応、製造業であれば生産管理や外国人留学生・技能実習生の管理などの業務で就労ビザを取得している人が多いようです。
 
入社後に研修等の関係で店舗業務や工場のラインでの作業など、単純労働が必要になる場合は研修プログラムの一環であることや不相当に長い期間とならないことを入管に説明できなければなりません。


 
【③雇用条件】

 雇用条件として、当該外国人の給与が、社内において同じ業務をする日本人と同等か、それ以上でなければなりません。
もっとも、実務経験年数などの条件により、必ずしも給与額が同等以上にならない場合でも、その事情を別途説明することで、在留資格変更申請が許可される余地はあります。


 
【④事業の安定性・継続性】

 雇用先企業の財務状況などに鑑み、当該外国人の入社する企業および従事する事業に、継続性や安定性が見込まれるものでなければなりません。


 
【⑤当該外国人の在留態度】

 在留資格の変更手続き時には学生として在留している期間中に法令違反等がなかったか、入管に審査されます。
 
具体的な例としては近年、学生が資格外活動(アルバイト)上限時間を守っていなかったために、就労資格への変更が不許可となる事例が増えています。

採用する外国人が学生時代にオーバーワークをしていなかったかどうか、選考段階で課税証明書等を提出させ金額確認を行い判断したうえで、採用の可否を出すことをお勧めします。

 ●出入国在留管理庁HP(外部サイト):「留学」の在留資格に係る資格外活動許可について


 
【⑥雇用契約書】

 上記のように、在留資格の変更には様々な注意点があるので、採用前に在留資格の変更が不許可となってしまうことも十分に考えられます。
 
そこで、雇用契約書には、あらかじめ在留資格変更が不許可となった場合の扱いについて一言明記しておく方がよいでしょう。留学生採用に慣れた企業は、不許可となった場合には内定取り消しとする、「条件付きの内定通知書」を出す企業も少なくありません。
 これらの記載がない場合、在留資格の変更が行われる前にもかかわらず雇用契約自体は成立してしまい、不許可となった場合には日本人の社員と同様に、解雇する際の30日分の解雇予告手当の支払いが必要になってしまう可能性もあります。

 

また、言葉・文化の違いによる認識の違いなども起こることが想定されるため、あらかじめ社内の日本人社員への理解や、入社後のマナー研修など、受け入れ体制も整えておくとよいでしょう。


 
【⑦必要経費の負担】

 前述の通り、在留資格を変更する際には行政書士に依頼することが多いのですが、その際の依頼料を「学生負担」とするのか、「企業負担」とするのか、といった点についても、事前に本人との間で話し合っておくとよいでしょう。

なお、NEXTJAPANでは行政書士のサービスが必要な学生・企業向けに手続きの代行オプション(有料)もご用意しております。詳しくはお問い合わせフォームまたはお電話よりご連絡ください。

また、無事入社をした後も「就労ビザ」には有効期限があるため、本人に加えて企業としても更新期日を把握しておくことが大切です。
 
※2022年7月時点